北斗星(2月17日付)

お気に入りに登録

 「歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は笑劇として」は、19世紀ドイツの経済学者カール・マルクスの言葉として知られている

▼この言葉、フランス大革命(1789年)のさまざまな局面と、それから約60年後のフランス2月革命の動向を比較した著書の冒頭にある。大革命に比べれば、2月革命はせいぜい「笑劇」であろうと冷ややかに見ているのだ

▼4月の知事選に元知事の寺田典城氏が立候補すると正式表明した。現職の佐竹敬久氏は3選を目指して既に立候補を表明している。事実上両氏の戦いとなった20年前の知事選の再来である。なるほど「歴史は繰り返す」

▼20年前は、県の公費乱脈問題(食糧費問題)で引責辞任した知事の後任選びだった。県政与党の自民党に推されたのが県総務部次長の佐竹氏で、「食糧費問題の当事者に県政は任せられない」として非自民勢力は横手市長の寺田氏を擁立し勝利した

▼今回、寺田氏は盤石な相手に挑む自分をドン・キホーテに例えた。小説「ドン・キホーテ」は主人公が騎士道精神で風車に突進するなど滑稽な物語ではあるが、老いても理想を失わずに行動を続ける姿は感動を呼ぶ。そこまで意識しての発言だったのかどうか

▼20年前は佐竹氏49歳、寺田氏56歳。どちらも若かった。年を重ねたなりの知恵や思慮深さに期待しているが、県政の舞台で立ち回る役者がいつまでも同じでは、悲劇でも笑劇でも盛り上がりを欠かないか少し心配である。