社説:シイタケ生産拡大 ブランド化も進めたい

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 県は、県産キノコの主力であるシイタケのさらなる生産拡大に乗り出した。本年度から3年計画で産地の大規模化を進め、東京都中央卸売市場における販売量、販売額、販売単価の3部門で日本一を目指す。

 コメへの依存度が高い本県農業の生産構造を転換しようと、県は園芸作物の大規模団地化に取り組んでおり、エダマメやネギといった収益性の高い作物の出荷額が伸びるなど成果は着実に表れている。シイタケの生産・販売対策を強化することで、生産者の所得増に向けて複合化の流れをさらに加速させたい。

 JA全農あきたの販売実績によると、2016年度のシイタケの販売額は36億円。ネギ(21億円)やスイカ(17億円)、エダマメ(13億円)、リンゴ(12億円)を抑え、主要園芸17品目でトップとなっている。

 県産シイタケはほぼ全量が菌床栽培による。おがくずなどで固めたブロックに菌を植え付けて定温のハウスで育てるため、原木栽培より効率的で冬場でも生産できる。県園芸振興課によると、県産は肉厚で形も良く、市場評価が高いという。

 県内の菌床シイタケ栽培は1985年ごろから旧平鹿町(現横手市)で始まり、同市十五野地区は41棟のハウスが立ち並ぶ一大産地に成長した。同地区では他に167棟でホウレンソウなども生産しており、園芸メガ団地の先駆けとされる。

 横手市のほか八峰町などもシイタケ生産が盛んで、販売額1億円以上の法人などは県内に七つある。けん引役である十五野地区の農事組合法人に対して県は施設整備費などを補助し、来年度までに20棟の専用ハウスを増設する計画だ。事業に取り組む法人の代表は「市場の需要は高く、さらに高品質のものを生産したい」と意気込む。

 東京都中央卸売市場で取引される県産シイタケの平均販売単価(16年)は1キロ当たり1260円で1位。品薄の夏場は1800円にもなり、通年での安定供給態勢を強化することで一層の増収が見込める。

 一方で、同市場での16年の販売量は1145トン、販売額は14億4200万円で、いずれも1位の岩手に及ばない。県はまず十五野地区の大規模化を重点的に進め、その後、他地域も支援していく方針。19年度までに販売量1700トン、販売額21億円を達成してトップの座を獲得したいとしている。

 県産シイタケは市場評価が高い半面、産地が消費者に浸透していないのが課題だ。県は首都圏でPRイベントも展開するという。生産拡大と併せて販売戦略にも力を入れ、秋田産のブランド化に努めることが必要だ。

 通年農業によって所得アップや経営の安定化を図ることができれば、担い手確保にも弾みがつく。その道筋を確かなものにするためにも生産者と行政、JAが一体となってシイタケの生産振興に取り組みたい。