北斗星(9月14日付)

お気に入りに登録

 危機管理のプロ中のプロ、米村敏朗さん(66)が以前に語っていた危機管理のつぼを幾つか紹介したい。米村さんは元警察官僚で、秋田県警本部長や警視総監を歴任した後、野田民主党内閣と、続く第2次安倍内閣で危機管理監を務めた

▼「危機管理はつまるところ想像力である」「危機意識は生まれるものではなく、自らつくるものだ」「危機管理は『始めなければ全てなし』。スタートラインを間違えるな」

▼佐竹敬久知事は大雨時のゴルフ旅行問題の責任を取り、今後3カ月間、無給で働く考えを県議会に示した。知事職にとどまるのであれば労働対価はあって当然と思っていたが、これではタダ働きを強いるみたいで県民の一人としては居心地が悪い。知事のけじめのつけ方を県議会がどう判断するのか注目だ

▼災害発生時、知事が不在であっても県庁組織は遺漏なく動いたものと信じている。だが一方で、トップを「さらし者」にした点に限れば、危機管理に失敗したと言える

▼知事が災害対応の会議に間に合わないと分かった時点で、しかるべき幹部職員が(1)知事はゴルフ旅行先から戻る途中である(2)旅行には部長2人が同行している―と事実を公表していれば、その後の展開は随分と違ったものになったはずだ

▼米村さんの挙げるつぼには「組織も人も自己観察の能力とモラルを失ったところから崩壊が始まる」「事後検証は大事。それなくして次には進まない。ただし、人を非難するな」というのもあった。