遠い風近い風[小嵐九八郎]コンプレックスとは…

お気に入りに登録

 アルバイト先の大学の卒業生の十数人を集め、先月、合宿をして読書会とそれぞれが新しく書いた70枚の小説の合評会をやった。というのは、文学を専攻していたのに就職するとまるで書かなくなり、そのきっかけを作ろうと思うからだ。別のアルバイトをしている中高年の人達が主である全国紙のカルチャーセンターでは、この4、5年続けて大出版社の新人賞を貰(もら)う人達が出て、若い元学生にも奮起してほしい願いがある。

 淋(さび)しいというか、時代の流れを痛く感じたのは参加を願った有望株の卒業生の2人から「今、ゲームのソフトの仕事で忙しく、かつ稼ぎ時で、済みません」、「アニメのストーリー作りで追われて、ごめんなさい」と欠席の詫(わ)び状がきたことだ。小説より打ち込めて儲(もう)かるジャンルができているらしい、確(しか)と。

(全文 1296 文字 / 残り 943 文字)

この連載企画の記事一覧