社説:平昌、ロシア除外 IOCの決定は当然だ

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 国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアが国主導で禁止薬物使用などのドーピング違反と隠蔽(いんぺい)を行っていたとして、来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪から同国選手団を除外することを決めた。IOCが定める条件をクリアし潔白が証明された選手は個人としての参加を認めるが、国旗や国歌の使用を禁じる。ロシア・オリンピック委員会は資格停止となった。

 厳しい対応に見えるが、競技と大会の公平性を保つためにはやむを得ない決定だ。むしろ、対応は遅すぎたと言える。

 不正を調査した世界反ドーピング機関(WADA)は昨年7月、詳細な報告書を公表し、昨夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックへのロシア選手団の出場禁止を勧告した。国際パラリンピック委員会がロシア選手団を全面排除したのに対し、IOCは出場可否を自ら判断せずそれぞれの国際競技連盟に委ねた。結果的に約280人のロシア選手がリオ五輪に出場し、IOCは「弱腰」と批判された。

 ドーピングは同じ条件下で競うというスポーツの公平性やフェアプレーの精神を損なうだけでなく、選手の健康をむしばむ恐れもある。今回の決定にとどまらず、IOCをはじめ各国のオリンピック委員会、競技団体は、今後も違反や不正には厳しい姿勢で臨むべきだ。

 ロシアの不正があったのは自国開催のソチ冬季五輪。WADAは報告書で、ロシアスポーツ省主導の下、組織的な薬物投与や検体のすり替えなどの隠蔽が行われたと認定。最終報告書では不正に関与したり恩恵を受けたりした選手は夏と冬の五輪、パラリンピック合わせて千人超に上ると結論付けた。

 IOCはソチ五輪のロシア選手の検体を再検査し、これまで25人の違反が発覚。ロシアは金13、総メダル数33で共に国別トップだったが、金4、銀6、銅1の剥奪が決まり、金は3位に、総メダルは5位に後退した。

 ロシアは組織的不正をいまだに認めていないが、国際機関の調査であり厳粛に受け止める必要がある。不正を認めて再発防止体制を整備しない限り、今後も五輪に出場できない可能性がある。ボイコットをちらつかせているが、一時の反発が何の解決にもつながらないことを認識すべきだ。

 開催地の韓国にとっては厳しい決定だ。ロシアは冬季スポーツの大国であり、興行面への影響は避けられない。日本オリンピック委員会などは隣国開催を踏まえ、大会盛り上げを図るため現地組織委員会との協力を密にしてほしい。

 ドーピングに関して日本は世界的にクリーンな国とされているが、2019年のラグビーワールドカップ、20年の東京五輪・パラリンピックと大きな大会を控え防止体制をさらに整える必要がある。クリーンな大会を実現するため、各国への働き掛けも強化してもらいたい。