さまようクマ:マタギ(1)伝統つなぎ、魂弔う

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解体を終え、山の神を祭る神棚に手を合わせる熊友会の会員=昨年11月28日午前1時ごろ、由利本荘市鳥海町

 四輪駆動車のドアが開くと、荷室に黒い塊が横たわっていた。昨年11月27日午後8時半すぎ。男たちが「せーの」とブルーシート上に引きずり降ろすと、200キロに迫ろうかという巨躯(きょく)があらわになった。

 「なーんとなんと」。感嘆の声が上がる。由利本荘市鳥海町の鳥海山麓で、この日仕留められたツキノワグマだった。

 町にはかつて、笹子(じねご)や百宅(ももやけ)などの集落ごとにマタギ集団が存在し、総じて「鳥海マタギ」と呼ばれた。最盛期には200人近くいたとされる。今では狩猟だけで生計を立てたり、半農半猟の暮らしを営んだりするような昔ながらのマタギはいなくなった。

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