北斗星(1月14日付)

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 「イージス」という言葉はギリシャ神話に由来する。女神アテナが授かった盾を指しており、あらゆる災厄を払う防具だ。最近頻繁に聞くのが地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」(地上イージス)。アショアは「陸に」の意味だから、さしずめ「陸の盾」

▼だが、単なる盾ではない。他国が放つミサイルにミサイルで応じるための発射基地だ。政府は昨年末、その導入を決めた。秋田市が配備候補地の一つに挙がっている

▼地上イージスは日本の脅威となる北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛手段と受け止められていたが、小野寺五典防衛相は先週、「さまざまなミサイル防衛に役立つインフラに発展させたい」と表明した。巡航ミサイルを大量に保有する中国への対応も考えているとみられる

▼秋田市に配備されるかもしれない地上イージスとは一体どんな施設になるのか。政府から地元に説明がないまま、強い電磁波を放つレーダーを備えたミサイル施設の導入に向けた検討だけは進んでいるようだ

▼ギリシャ神話には「パンドラの箱」という逸話もある。地上に降りたパンドラという女性が、災いの詰まった箱を開けてしまい、病気や労苦などあらゆる災いが飛び出す。安倍政権下でなし崩し的に進められようとしている防衛力増強も災いの引き金にならないとも限らない

▼地上イージスは脅威への対処になるのか、災いをもたらす箱にならないか。22日召集の国会の論戦を通じて見極める必要がある。