北斗星(2月1日付)

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 藤里町が交通死亡事故ゼロ6千日を達成した。実に16年半に及ぶ快挙だ。最後に死亡事故があったのが2001年8月。その翌月、ニューヨークの超高層ビルに航空機が激突する米中枢同時テロが起きた。その後の世界の変わりようを見ればどれだけの時が流れたかが分かる

▼県内では当時、県が合併パターンを示すなど市町村合併が盛んに議論されていた。秋田空港に初の国際定期便となるソウル便が就航したのが同年10月だ

▼藤里町では、交通指導隊が週3回、広報活動で町内を巡回するほか、小学生の鼓笛隊を先頭にした交通安全パレードなどを毎年行っている。ただ、死亡事故抑止に秘策はないという。小さな運動の積み重ね、顔の見える活動の成果なのだろう

▼県内2位は八郎潟町の2268日(先月28日現在)だから、藤里の記録は断トツだ。ところが上には上がいる。福島県葛尾(かつらお)村は藤里の2カ月前から死亡事故ゼロを続けている。藤里の担当者は「うちもまだまだ。今後も頑張りたい」と言う

▼01年の交通事故死者は全県で75人。昨年は30人と当時の半分以下になった。車の安全性アップや飲酒事故の減少など要因はさまざまあるだろう。県警交通企画課は「高齢者の死者が減っており、免許返納の効果が大きい」と分析する

▼県警は「歩行者ファースト」を掲げ横断歩道での事故防止などに取り組んでいる。ドライバーも歩行者も互いを思いやる気持ちが大切だ。寛容の精神で藤里町の記録に続きたい。