北斗星(2月9日付)

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 妻は初めての出産を控え、無事に産めるかどうかが心配で仕方がない。だが頼りになるはずの夫は仕事先からなかなか帰宅せず、心細さが募っていく

▼外で仕事をするのが男の務め。夫はそう考え業務にまい進する。出産のことは分からないから役に立てるはずがないと全て妻任せでサポートする気もない。そのため妻から出産の話題を向けられると、うっとうしいとさえ思ってしまう

▼以上は週刊漫画誌「モーニング」(講談社)に連載中の「コウノドリ」(鈴ノ木ユウさん作)の場面。妻はあまりにもつれない夫の態度に心が折れ、ある日過呼吸に陥って病院へ救急搬送される―

▼妊婦は出産前後は精神的にも肉体的にもストレスがたまり、危機的状況に陥りやすいのだという。核家族化が進む中で肝心の夫の協力が得られないとなると一層つらい。子育て期間を含め心身を支えるケアが重要だ

▼先日発表された県の新年度予算案には、乳幼児の保育料助成やワークライフバランス推進など経済支援を中心にさまざまな子育て関連事業が盛り込まれた。少子化に歯止めがかからず閉塞(へいそく)感も漂うが、諦めてはいけない課題だ

▼先の漫画で「男は何もできないから」と言い訳する夫に対し、心配していることを伝えるだけでも妻には大きな支えになるのだと主人公の医師が諭す。悩みを分かち合うことが何より大切ということだろう。男性の意識改革が叫ばれて久しいが、悩みを聞くという小さな一歩から始めてはどうか。