社説:八峰町ICT教育 注目される先進的授業

お気に入りに登録

 小中学校の授業などで情報通信技術(ICT)を活用する八峰町の取り組みが「2018日本ICT教育アワード」(全国ICT教育首長協議会主催)で3位に相当する審査委員長賞を受賞した。人材育成などを目的にICT教育を積極的に推進していることが評価された。

 教育アワードには全国の21市区町村から応募があった。本県で応募したのは八峰町のみ。ICT教育をどれだけ取り入れているかは自治体によってばらつきがあるが、情報社会の進展に伴い、一層活用が進むとみられる。同町の今後の取り組みに注目したい。

 八峰町は11年度、NTTと連携しICT活用に着手。町内2小学校、1中学校の全教室に88インチの大型電子黒板を設置し、全児童生徒が使える数のタブレット端末も備えた。14年度以降は文部科学省による実証事業、支援事業の対象にもなって効果的手法を模索してきた。

 ICT教育に必要とされるツールは▽電子黒板▽デジタル教科書▽タブレット端末▽実物投影機―の四つ。電子黒板にはデジタル教科書の動画や音声資料のほか、投影機で読み取った児童生徒のノートの内容、児童生徒がタブレットに書き込んだ意見や解答などが表示される。

 黒板に板書するのと違い解答などが瞬時に表示されるため、授業の効率化が図られる。動画や音声などを駆使することでより分かりやすくなり、楽しみながら学べるのも利点という。インターネットを使えば、多様な情報の取得・活用や交流授業も可能だ。町はこうした授業を通じ児童生徒の学習理解が深まるだけでなく、ICT活用能力の向上にもつながるとしている。

 円滑な運用のため、町は「ICT支援員」として臨時職員を4人雇用し、町内小中学校に配置している。機器のトラブル対応に当たるほか、授業の構成や資料づくりに協力し教諭の負担軽減を図っている。

 悩ましいのは、環境整備の費用負担が大きいことだ。例えば大型電子黒板は1台購入するのに百数十万円かかる。町は、機器が更新期を迎えていることから新年度に約1億円の関連予算を計上する予定だ。

 文科省の公立校(小中学校や高校など)を対象にした16年度の調査によると、本県は児童生徒4・8人に教育用コンピューター1台が配置され全国で上から9番目だったが、普通教室(理科室や音楽室など除く)の電子黒板の整備率は19・6%で27番目にとどまる。

 20年度からの次期学習指導要領にはICTによる学習の充実が盛り込まれた。八峰町にはこれまで県内外の約300団体、2千人がICT教育の視察に訪れており、関心の高さをうかがわせる。コスト的に一気に整備するのは難しい面があるが、学年ごとなど段階的に進める手もある。本県の他市町村も同町など先進例を参考にしたい。