「留置場のごはん」の味は… 飲食業者、官弁作りに誇り

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逮捕された人には業者が手作りする官弁が支給される=秋田市土崎港の秀寿司

 罪を犯したとして警察に逮捕された人たちが入る留置場では、「官給の弁当」、通称「官弁」が支給される。費用やカロリーなどさまざまな制約がある中、警察署の依頼を受けた飲食業者が作り続けている。留置場での処遇を定める法律の基となった「監獄法」の制定から今年で110年。官弁を作る飲食業者の胸中を聞いた。

 秋田県五城目町の日本料理店「松竹」は30年前から官弁を作っている。朝は午前7時、昼は11時半、夕方は午後4時半ごろに五城目署に配達。朝は手軽に食べられるおにぎり、昼はスタミナを重視したしょうが焼きや揚げ物、夜はできるだけ魚を使いあっさりめに仕上げる。

 おかみの鐙満子さん(76)は「留置場に入るには相当な事情があったんでしょ。食事だけが楽しみになってるかもしれないから温かくておいしいものを食べさせたい」。春は山菜、夏はトウガンなど季節に応じた食材を使って食事に彩りを添える。以前、「あちこちの留置場で食べた中で松竹の弁当が一番だった」という感想をまた聞きで耳にしたこともあった。「冗談でもうれしかった」

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