社説:県内読書活動推進 若者向けの対策が重要

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 県教育委員会の2017年度全県学習状況調査で、読書好きな小中学生は8割を超えるとの結果が出た。調査対象は県内の小学4~6年生と中学1、2年生計約3万7千人。小学4年は特に高く、89・4%に上った。教科書や参考書、漫画、雑誌を除く本を1カ月に何冊読むかとの問いでは、各学年とも9割以上が1冊以上読むと回答。小学4年は27%が11冊以上と答えている。

 16年度調査でも同様の結果が出ており、本県小中学生に読書の習慣が身に付いていることがあらためて示された。各校が読書に力を入れていることの表れだろう。

 だが高校生になると、部活動や受験勉強などに比重が置かれ、読書時間が少なくなる傾向が強い。昨年4月に県教委が公立高校の2年生約7200人を対象に行った読書活動調査で、読書が好きと回答した生徒は6割余りだったが、約4割は月に1冊も読んでいないという結果が出た。せっかく小中学校で読書習慣が身に付いても、高校入学後には薄れてしまうというのでは残念だ。

 本県では10年に全国に先駆けて、県議の提案により「県民の読書活動の推進に関する条例」が制定され、11年に第1次県読書活動推進基本計画(11~15年度)が定められた。さらに県民が本に親しむ機運を盛り上げようと、14年には11月1日を「県民読書の日」と制定。現在は「日本一の読書県」を目指し、第2次計画(16~20年度)が進められている。

 第2次計画では、週3時間以上(1日30分以上)読書する割合を15年度の54・4%から70%以上にする目標を掲げる。20代は17年度が23・6%と前年より20ポイント近く落ち込んでおり、若い世代への効果的な対策が求められている。

 県教委は読書の楽しさを世代ごとに伝えようと、17年度から3カ年計画で「読書が広がるホップ・ステップ・ジャンプ事業」と題した取り組みを進めているが、18年度からは特に高校生を対象にした読書活動を強化する考えだ。

 目玉となるのが、気に入った本の魅力を大勢の市民らの前で紹介する「ビブリオバトル(書評合戦)」の運営に携わってもらう取り組みだ。このイベントは、限られた時間内にお薦めの一冊を自分の言葉で説明する技術を競い合う。運営に参加することは好奇心を刺激し、本の魅力を再発見することにもつながるはずだ。

 全国大学生協連(東京)が昨年、大学生1万人を対象にした生活実態調査では、1日の読書時間がゼロと答えた割合が前年より4ポイント増え、53・1%と半数を超えたとの結果が出た。若者の本離れは全国的に顕著といえそうだが、読書は想像力を広げ、生きる力をつけることにもつながる。その意義をあらためて認識したい。