さまようクマ:恵み(1)家族支えた「効く薬」

お気に入りに登録
※写真クリックで拡大表示します
かつて佐藤国男さんが行商で売り歩いた薬。熊の胆を使った「大正散」の箱には丸々と太ったツキノワグマが描かれている

 人とクマの境界が揺らぐ現状をたどる連載「さまようクマ」。第7部は、熊の胆をはじめとするさまざまな恵みを享受してきた歴史を振り返りながら、人とクマの関係がどう変わったのかを見ていく。

 ◇  ◇

 北秋田市阿仁の佐藤文子さん(69)宅には、たくさんの古い薬が保管されている。3年前に95歳で他界した父・国男さんが生前、行商として県外に売り歩いたものだ。

 その中に、パッケージにツキノワグマが描かれた「大正散」という胃腸薬がある。丸々と肥えたクマの絵とともに記されているのは、「正真熊の胆(い)配合剤」の売り文句。クマの胆のうである「熊の胆」が正真正銘含まれているのだと、その効能を強調している。

(全文 1277 文字 / 残り 982 文字)

この連載企画の記事一覧