社説:ハピネッツB1へ たたえたい一丸の戦い

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 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の秋田ノーザンハピネッツが、B2プレーオフ準決勝で熊本を下し、来季の1部(B1)昇格を決めた。昨年5月にB1残留プレーオフで敗れてB2に降格した後、1年で返り咲くとした目標を達成した。選手とスタッフが努力を重ねて結果を出したことは称賛に値する。

 ハピネッツは今季レギュラーシーズン54勝6敗。開幕前、運営会社の水野勇気社長が掲げた「最低でも勝率8割」をクリアし、勝率9割という圧倒的な強さでB2東地区を制した。2戦先勝方式のプレーオフ準決勝第1戦では14点を追う後半に猛追して逆転勝ちし、第2戦は34点差をつける圧勝だった。

 B2降格決定後、ハピネッツはスペイン人のジョゼップ・クラロス氏(愛称ペップ)がヘッドコーチ(HC)に就き、選手は半数以上が入れ替わった。ペップHCが選手に浸透させようとしたのは、ディフェンスを磨いて相手のミスを誘い、攻撃に転じるバスケットだった。

 このスタイルを選手もよく理解し、シーズン1試合平均失点をB2の18チーム最少の67・7点に抑えた。激しいディフェンスは体力を消耗させるため、ベンチの12人が交代しながら出場した。先発メンバー以外も求められた役割を果たしたからこそ、昨年9月からの長いシーズンを戦い抜けた。チーム一丸の戦いぶりを評価したい。

 ファンの存在も大きい。会場での熱い声援が選手たちに勇気を与え続けた。ハピネッツの今季ホーム戦の1試合平均観客数は2897人。昨季より161人(5・3%)減ったものの、B2では最多。B1、B2計36チームを通じても9番目の多さだった。勝ち星を重ねたことに加え、諦めずにボールを奪いにいく姿勢がファンの共感を呼んだのだろう。

 B1復帰決定により、今後は速やかに来季に目を向ける必要がある。ハピネッツ、仙台と入れ替わって今季B1に昇格した西宮、島根は今季それぞれ12勝48敗、11勝49敗と低迷。B1残留プレーオフでも敗れ、1シーズンでB2に逆戻りする。ハピネッツも気を引き締めて来季に挑まなければならない。

 プレーオフ後の来季チーム編成では、どう戦力を高めるかが問われる。Bリーグが公表したB1各チームの昨季決算によると、ハピネッツは選手らの人件費が約1億8千万円で全体では中位だった。3億円台のチームも複数あるだけに、有望な若手や埋もれている外国人選手を発掘するための情報収集力がますます重要になる。

 ハピネッツは19、20日に福岡とのプレーオフ決勝に臨む。これを制し、B2王者としてB1に乗り込みたい。2シーズンぶりとなるB1でペップ流の激しいバスケがどこまで白星を伸ばせるか、多くのファンが今から注目している。