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見出し、どう付けた? 全国大会公開授業、多様な考え方を学ぶ

NIE全国大会の公開授業で、クラスメートが付けた見出しについて話し合う静岡市立城北小学校5年生の児童と漆畑浩明教諭(左)=26日、静岡市駿河区

 25、26日の両日、静岡市で開催されたNIE(教育に新聞を)の全国大会では、新聞を生きた題材として活用する授業が公開された。見出しを考える楽しみや難しさを知ることで、子どもにものの見方の多様性を理解させようとする試みも。新聞を入り口に社会に関心をもってもらう取り組みは裾野を広げつつある。

 「どんな見出しを付けたか教えてください」。漆畑浩明教諭(40)が呼びかけると、児童が次々に手を挙げる。手元には自分なりの「見出し」を書き込んだ短冊。静岡市立城北小学校5年生の授業のテーマは「ものの見方を広げよう」だ。

 東日本大震災で同級生とその弟を亡くした宮城県の男子中学生が、同県出身のサッカー日本代表DF今野泰幸選手と一緒に練習する機会を得たことで前向きに生きようとする記事を教材に、児童には本文だけの切り抜きを渡し、短冊に見出しを書かせた。

 「亡くなった2人のために」「プレーに勇気づけられた」―。教諭は今野選手に着目したグループと、中学生に着目したグループの二つに分類し、児童が書き込んだ短冊をホワイトボードに張り付けた。

 「同じ記事を読んでいるのに、見出しが違うのはなぜだろう」。ずらりと並んだ32本の見出しを前に、児童は記事の中で注目したセンテンスを互いに読み上げたり、見出しを付けた理由を話し合ったりして、活発に意見を交わした。

 「同じような見出しでも、引用したところが違うし、引用が同じでも見出しが違うことが分かった」とある男子児童。教諭は記事のどの部分に着目したのか問いかける。

 ある児童は「すごく勇気づけられた」という部分が印象に残り、線を引いたと発表。「同じところに線を引いた人はいるかな」との質問には、10人ほどの児童が「同じ」と手を挙げた。一方で、「でも付けた見出しは違う」と話す児童や「その部分かー」と自分と違った意見に感心するような声を上げる児童もいた。

 当初中学生に着目した見出しを付けた狩野遥香さん(11)は、クラスメートの意見を聞いて浮かんだアイデアをもとに「あこがれの今野選手がいたから亡くなった2人の分までがんばれた」と、ちょっと長めの見出しに手直しした。異なる立場の思いを両方とも見出しに取り込もうと工夫したという。

 ものの見方はさまざまで、それを理解した上で見方の幅を広げる大切さを伝えることを目指したという漆畑教諭。「読む人によって見出しが違う。それでいいと思う」と授業を締めくくった。

(2013/07/30 秋田魁新報掲載)