TOP > 特集・連載 > 白瀬・南極探検100年 > 【特集】南極観測船・新「しらせ」

白瀬・南極探検100年

特集

南極観測船・新「しらせ」

世界有数の砕氷能力

昨年11月10日、東京・晴海埠頭を出港した新「しらせ」

 昨年11月10日、東京・晴海埠頭(ふとう)を出港し、初めての南極航路へ向かった南極観測船・新「しらせ」は、環境保全に配慮した“エコ・シップ”だ。輸送能力や観測性能もアップしており、南極観測の新時代を切り開くことが期待される。

 新しらせは「宗谷」、「ふじ」、初代「しらせ」に続く4代目の観測船。基準排水量1万2500トン、全長138メートル、幅28メートルの大きさ。世界トップクラスの砕氷能力を持ち、厚さ1・5メートルの氷を3ノット(時速約5・6キロ)で砕きながら連続航行する。

 船首から海水を放出することで、氷を割れやすくすることもできる。初代にはなかったこの機能により、燃費が大きく向上した。

 トイレや食堂から出る汚水は、海水を汚さないよう浄化処理して排水。焼却炉も備えており、ごみを低容量化して国内に持ち帰る。また、万一座礁事故が起きても、燃料タンクは二重構造となっており、燃料が外部に漏れないようにしている。

砕氷能力アップ:船首から水をまき、雪を融かして砕氷抵抗を減らすことで、砕氷能率を向上させた。

 物資の輸送量は従来から100トン増え、1100トンになった。観測隊員の収容人数は60人から80人に増えた。船を動かし、観測支援に当たる海上自衛隊の乗組員の定員は179人。ヘリコプターは3機搭載できる。

 音波で海底地形を調査する「マルチナロービーム音響測深装置」を搭載。まだ謎の多い南極周辺の海底地形の解明が期待される。船内に五つの観測室があるほか、調査に必要な装備を備えた「コンテナ式研究室」も搭載できる。

砕氷行動(チャージング)

  1. 船体ひとつ分ぐらい後進してから、最高出力で氷に向かって前進する。
  2. 船首が氷に乗り上がる。船が衝突した衝撃で進行方向に向かって氷にひびが入る。
  3. 氷の上に乗った船首に対して船の重量が下向きにかかり、氷が大きく割れる。
  4. 後進して、氷盤から離れ、次のチャージングに備える。
(2010/01/01 更新)

動画

連載企画

リンク