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[30周年迎えた愛好会]

相撲の魅力、次世代へ 会報で提言も発信

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 激しい稽古を終えて腹をすかせた力士十数人が、合宿所にずらりと並んだ。知り合いの親方に促され一緒にちゃんこをつつくが、力士の勢いに圧倒されて、ちゃんこを味わうどころではなかった―。

 20年前ほど、秋田市新屋へ合宿に来た木瀬部屋の食事に参加した思い出を楽しそうに語るのは、「秋田大相撲愛好会」の鈴木栄会長(65)=同市新屋。稽古を見に行った際、付き合いがある親方から誘われ食事に参加したのだという。「普通の相撲ファンにはできない貴重な経験。こつこつと築いた人脈があったからこそできた」と語る。

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大相撲夏場所の優勝予想をする(左から)鈴木会長、事務局の佐々木さん、会員=秋田市の茨島コミュニティセンター

 県内相撲ファンでつくる同会は1982年に結成し4月で30周年を迎えた。この間、鈴木さんは、会長として同会の活動に情熱を注ぎ続けてきた。

 同会は、市内の同じ運送会社の社員6人が相撲ファン同士の交流を目的に立ち上げた。別の会社に勤務していた鈴木さんはその半年後に入会。口コミで会の存在を知ったファンが入会しピークの90年代、会員数は約30人を数えた。都内の相撲部屋の稽古を見学しに出掛けたり、84年に落成したばかりの両国国技館で本場所を観戦したりした。

 現在の活動の中心は毎月1回の例会と、湯沢市出身の横綱照国の生家などを訪ねる「相撲史跡巡り」。会員は8人にまで減ったものの、鈴木さんと事務局の佐々木紘之助さん(68)=秋田市旭南=は「これだけ長く続いている相撲愛好会は、県内には他にない」と胸を張る。

 相撲界では近年、野球賭博や八百長などの不祥事が相次いだ。その影響で、本県で昨夏開催予定だった大相撲夏巡業「秋田場所」も中止に。県内のファンにとって力士と触れ合うことができる貴重な機会だっただけに、会員のショックは大きかった。

 今夏開催される秋田場所は2年ぶり。鈴木さんは「地方巡業を通して、相撲に興味を持つ子どもたちもいる。将来の力士を発掘するという意味でも巡業は重要」と訴える。

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 最近は大型の外国人力士を中心に、大関把瑠都関のように上背を強みとして肩越しに上手まわしを取って上手投げで倒す取組をはじめ、引き技が決まり手となる取組が増えているという。

 しかし、鈴木さんは「かつての横綱隆の里関や大関琴風関のようにがっぷり四つになり、一歩も譲らない駆け引きがはっきりと分かる取組が、相撲の醍醐味(だいごみ)」と指摘。「外国人力士が増えた一方で、そうした迫力ある取組が少なくなった。以前に比べて物足りなさを感じる」と語る。

 同会では会報誌「やぐら太鼓」を毎年千部発行し、取組のあるべき姿への意見や日本相撲協会への提言を発信。佐々木さんは「ファン同士が相撲界の問題について話し合い、議論を高めていくことで、相撲界はもっと良くなるはずだ」と強調する。

 同会が抱える課題は会員の高齢化と減少。会員8人うち、30代と50代は各1人で60代以上が6人。ブログやツイッターを通して相撲談議を楽しむ相撲ファンも増えているが、「相対して会話した方が、もっと楽しいはずだ」と佐々木さん。

 鈴木さんは一人でも多くの入会を呼び掛けるとともに、「大相撲の魅力と会の伝統を、次世代に引き継ぎたい。ファンが盛り上げれば、相撲界はもっと元気になる」と話した。

(2012/06/24 付)

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