[第12回]

ゆったりとした時間が流れる首都オスロ

(2017年3月17日 掲載)
5月17日のナショナルデーには毎年盛大なパレードが開催される Photo:Asaki Abumi

 連載は今回で最後。「最終記事のテーマは何にしよう?」と考えていたところ、はっとした。私が住んでいるオスロの街について触れていない! というわけで、今回はオスロを写真で紹介したい。

 観光客の多くはノルウェーで何をするのか? 多くは夏のフィヨルド観光、もしくは冬のオーロラ観光だろう。そして第二の規模の都市ベルゲンでカラフルな世界遺産ブリッゲンを見る!

 では、首都オスロでは何をするのか? 画家エドヴァルド・ムンクの「叫び」を鑑賞しに来るアート観光客がこれまでは多かった。しかし、オスロにはほかにも探せば楽しいことがたくさんある。

 私が特にお薦めしているのがコーヒーを味わうこと。ライトローストで酸味がある味わいが特徴だ。有名カフェを巡る若い日本人男性の姿は数年前に比べて少しずつ増加している。

お気に入りのカフェ、Supreme Roastworks。オーナーのオッド・ステイナール・トーロフセンさんは、抽出技術とプレゼンテーション力を競うブリューワーズ カップで2015年に世界王者となった。 Photo:Asaki Abumi
カール・ヨハン通り Photo:Asaki Abumi

 オスロ中心地にあるカール・ヨハン通りは、観光中に何度も徒歩でアクセスすることになる。夏には世界中からやって来る観光客が、周辺にある王宮や市庁舎を回る。

 この中心地では、一般自動車の走行を禁止する「カーフリー」を2019年9月までに実現することを市議会が宣言している。果たして公約は実現されるだろうか。オスロは実は、大気汚染問題に困っている。

夏は市が貸し出す自転車が大人気 Photo:Asaki Abumi
民族衣装は地域によってデザインが異なる Photo:Asaki Abumi

 5月17日のナショナルデーになると、民族衣装を着た人々がお祝いでカール・ヨハン通りに集まる。子どもたちは楽しそうに声を上げ王宮まで行進。カラフルな民族衣装は見応えがある。

オスロは音楽好きには最高だ。8月のオイヤ祭 Photo:Asaki Abumi

 物価が高いノルウェーだが、実は音楽のチケット料金は日本よりも安めだ。夏にはオイヤ祭、ジャズフェスなど、たくさんのコンサートが開かれる。

水色の路面電車が走る中心地。右手には大聖堂 Photo:Asaki Abumi
街は緑や川に囲まれている。ぶらぶら歩きながら、カフェやお店巡りをするのも楽しい Photo:Asaki Abumi
編み物好きが多いノルウェー Photo:Asaki Abumi

 秋になり肌寒くなってくると、編み物をする女性たちの姿が街の至る所で見られる。寒い国に暮らすノルウェー人は編み物が大好き。電車やバスの中、大学での講義中、カフェの椅子など、編み物をしている人々を探すのは難しくない。

北欧ヴィンテージ探しは、現地ならではの楽しみ Photo:Asaki Abumi

 ノルウェーでの楽しみといえばヴィンテージ探し。北欧食器や家具を、蚤の市などを回って中古を発掘する。石油発掘前までは貧しい国だったノルウェー。当時の名残か、できるだけ長くものを使おうとするライフスタイルが残っている。写真は、お気に入りのカフェ、レトロリッケ・カッフェバーの店長、トーニェさんと一緒に中古店巡りをしたときのもの。

カール・ヨハン通り沿いでのクリスマスマーケット Photo:Asaki Abumi

 冬になると、ノルウェー人の頭の中はクリスマスでいっぱいになる。家族と過ごすクリスマスに向けてたくさんのプレゼントを買う。市内ではクリスマスマーケットがいくつも開かれ、寒くて暗い街が明るくなる。

ニッセの女の子や男の子がクリスマスを賑やかにする Photo:Asaki Abumi

 ノルウェーのサンタクロースは「ニッセ」と呼ばれる。ニッセは年配の男性とは限らず、女性や子どももおり、さすが平等の国。

 東京に暮らしていたこともあるが、同じ首都といっても、オスロではゆったりとした時間が流れている。冬には雪も降り、どちらかというと秋田に雰囲気は近いかもしれない。ノルウェーの人口は520万人。オスロには65万人しか住んでいない。

 北欧旅行の良さといえば、多忙な日々に追われがちな日本での生活とは正反対の環境。時計の針が急にスピードを落としたかのように、のんびりした時間を過ごせると思う。いつか、海外旅行をする際はノルウェーも候補に入れていただけると嬉しい。

 1本目のコラムに続き、私の書く記事は、どうやらこの話で終わりそうだ。

 オスロではコーヒーを飲みながら、頭のデトックスをしてみるといいかもしれない。

Photo:Asaki Abumi

 写真・文 鐙麻樹

鐙 麻樹(あぶみ・あさき)
1984年秋田市生まれ。ノルウェー在住のジャーナリスト、フォトグラファー。現地の文化やライフスタイル、若者の政治参加などさまざまな分野を取材し、日本の雑誌やウェブメディアに配信。旅行ガイドブック「ことりっぷ北欧」オスロ担当。Yahoo!JAPAN、地球の歩き方オスロ特派員ブログ、生活情報サイトAll Aboutなどのウェブ媒体に連載中。メディア・企業向けの現地コーディネート、6カ国語の海外ニュース翻訳・リサーチなどもこなす。上智大フランス語学科卒、オスロ大大学院メディア学科修士課程修了。
公式ウェブサイト http://www.asakiabumi.com/