[第11回]

山田憲三郎・大衆文化を支えた男(2)興行、新聞、舞台美術

(2018年3月3日 掲載)

多芸多才な仕掛け人

 民具収集家の油谷満夫さんが私に見せてくれた山田憲三郎宛ての手紙。その差出人は、驚くほどバラエティーに富んでいた。映画会社や芸能事務所の関係者はもちろん、活動写真の弁士や俳優として活躍した徳川夢声(むせい)、「しゃぼん玉」「ゴンドラの唄」の作曲で知られる音楽家の中山晋平、人気挿絵画家の蕗谷虹児(ふきやこうじ)ら、大正~昭和初期に活躍した著名人からのものが多いのには驚いた。

 そして、宛名に「山田美佐十」「山田みさと」と書かれている手紙も。どうやら憲三郎の別名のようだ。宛名の前に「詩星社」「ジャパン・ミュージック・ビューロー秋田支部」といった組織名が書かれているものもある。