[第13回]

山田憲三郎・大衆文化を支えた男(4)たばこ店の8代目

(2018年3月17日 掲載)

商店街と連携し興行

 1942(昭和17)年生まれの山田図南(となん)さんは、憲三郎の次男。早速、持参した「美人の秋田」のコピーを図南さんに見ていただいた。この本についてご存じか聞いたところ、「全く知りませんでした。親父(おやじ)はこんな本も作っていたんですね」と驚かれていた。ちなみに憲三郎が花柳界に出入りすることはあったのか、尋ねてみると「お酒も弱かったし、芸者さんが出入りするところに遊びに行くようなタイプではなかったですね」という意外な答えが返ってきた。

 図南さんから憲三郎の写真や資料を見せていただいた。写真の中の憲三郎は、私の思い描いていた「敏腕業界人」というイメージとは対照的だった。モボ(モダンボーイ)の雰囲気を漂わせた青年時代、そして好々爺(こうこうや)然とした晩年、いずれも穏やかで物静かそうな男性であった。