[第4回]

長く暗いシーズンに見えた光

(2017年5月16日 掲載)
CNAアリーナのドーム型の天井にピンクの光が反射する

まるで白昼夢のように

 「勝利って、こんなにもたやすく、手から離れていくんだ…」。横浜ビー・コルセアーズとの残留プレーオフ1回戦、つい数秒前までつかんでいたB1残留の座がするりと逃げていくのを、私はテレビの前で見ていました。2点勝ち越しの場面、あと数秒を耐えれば2回戦進出が決まるというその時に、横浜のエースが3点シュートを放ち、逆転を決めたのです。画面にはコートに呆然と立つ安藤選手、そして喜びに沸く横浜ベンチがうつり、まるで白昼夢を見ているようでした。ようやく実感がわいてきたのは、丸一日が経った後でした。私たち秋田ノーザンハピネッツは、1回戦で敗れ、B2への降格が決まったのだと。

 当日は、家族や友人と自宅のテレビ越しに声援を送っていました。テーブルには験担ぎで用意した横浜中華街の肉まんや天津甘栗。祝杯用のグラスを並べ、ピンクの公式Tシャツを身に着けて、勝利の瞬間を待ちわびていた私たちに訪れた、余りにもあっけない幕切れ。重苦しい沈黙に包まれましたが、一人で見ていたら、信じられずにもっと混乱していたと思います。この瞬間をともにしてくれた仲間がいたことは、不幸中の幸いでした。