早期治療で治るにもかかわらず受診率が低い状態が続いているのは残念。

(2015年9月23日 付)

マンモグラフィが乳がんの早期発見の有効な手法であることを多くの人に知ってもらいたいと思います。

秋田県総合保健事業団中央健診センター主任技術員(診療放射線技師)
松田 直美さん vol.1

―診療放射線技師の仕事の内容を教えてください。また、乳がん検診でのマンモグラフィの撮影はどのように行われるのでしょうか?。

 県総合保健センターや中央健診センターのほか、検診車で県内を巡回し、各地区で胃部、胸部、骨粗鬆症、そしてマンモグラフィのX線撮影を行っています。

 マンモグラフィは、乳房全体が写るように左右の乳房をそれぞれ斜め(MLO)、上下(CC)方向からはさみながら圧迫して撮影します。通常、小さくまとまっている乳腺が広がることで、小さながんでも発見しやすくなります。早期発見のため、極めて有効な検査方法だといえます。また、乳房を薄くすることから、放射線の被ばく量も少ないというメリットもあります。母体の健康、安全を考える上でも重要なことだと思います。

―10月は「乳がん月間」です。乳がんは検診技術と医療の進歩により完治できる病になりましたが、本県の検診受診率は20%台で推移押しており、国、県が目標としている50%に遠く及ばない現状です。検診に携わる立場で、どのようにお考えですか?

 マンモグラフィの撮影技師は、NPO法人・日本乳がん検診精度管理中央機構から検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の認定を受けた職員が検診に当たっています。また、当事業団は健診実施機関として施設認定を取得し、書類審査や撮影画像の評価を受けるなど、厳しい精度管理の下で検診に当たっています。一方、早期治療で治るにもかかわらず本県の受診率は低く、乳がんの発見率も低い状態が続いているのは残念です。

 マンモグラフィをできるだけ多くの人たちに受けてもらうため、乳がん月間に合わせて医師や乳がん経験者らでつくる県ピンクリボン実行委員会が毎年開催しているピンクリボンキャンペーンで、無料のマンモグラフィ検査を実施するなど受診をPRしています。マンモグラフィが乳がんの早期発見の有効な手法であることを多くの人に知ってもらいたいと思います。