検診を受診していない人に直接電話で受診を勧奨するコール・リコール事業

(2015年10月28日 付)

直接電話するメリットを生かしたさまざまな方策を積極的に展開したいと思っています。

秋田県総合保健事業団健診事業部 企画調整課主任技術員
小野寺 拓也さん

―総合保健事業団が実施しているコール・リコール事業の内容を教えてください。

 県が目標に掲げているがん検診受診率50%の達成を目指し、市町村のがん検診を受診していない人に直接電話で受診を勧奨する事業です。電話に出られなかった人には郵便などでも再度勧奨する。これが「コール・リコール」です。2010年度に県のモデル事業の委託を受ける形で開始し、14年度から事業団独自の事業として市町村からの委託を受けて展開しています。

―検診未受診者と電話で話すと、どのような反応がありますか。

 実施当初は事業が理解されておらず戸惑われたり、不審に思われたりすることもありました。実施から2、3年すると「検診で早期がんが2回も見つかってよかった」といった喜びの声も寄せられています。また、電話しているのはベテランの看護師4人ということで、がんとは関係のない健康相談を受けることもあるそうです。6年間の事業を通じ、「呼びかけをすれば受診率が上がり、やめれば下がる」ことが明白になり、それがモデル事業の終了後も事業を継続する要因になりました。

―実績を踏まえ、今後、どのようにして受診率向上を目指しますか。

 がん検診受診の無料クーポン配布対象年齢の人や、がん検診対象年齢に到達したばかりの人たちなど、ターゲットをしぼって勧奨することを市町村に提案していきたいと考えています。市町村によっては毎年受診する人もいま一度背中を押す形でリストアップしてくるケースもあります。また、電話での勧奨と同時に、市町村に代わって受診の申込みを受け付け、後で市町村へと連絡するといった、直接電話するメリットを生かしたさまざまな方策を積極的に展開したいと思っています。

―がん検診受診に向けたメッセージをお願いします。

 がんは早期発見、早期治療により治る病気になりました。体調管理の意味でも、健康な時にこそ受診して欲しいと思います。自分自身はもちろんのこと、大事な家族が安心するためにも欠かせないことだと思います。