若い世代の発症率が増加している子宮頸がん!!20歳になったら頸がん検診を受けましょう。

(2015年11月11日 付)

今からでもまだ間に合います。市町村や職場で受診期間を確認してください。

秋田県総合保健事業団検査事業部 児桜検査センター臨床検査課長
藤原 敦子さん

―子宮がんや肺がんの早期発見に実績を残している「細胞診検査」はどのような検査でどのようにしておこなわれるのでしょうか。

 細胞診検査とは、体から採取した細胞の中にがん細胞が含まれていないか調べる検査です。市町村での検診や人間ドックで実施される細胞診検査は、主に喀痰細胞診と子宮頸部細胞診です。喀痰細胞診は早朝吐出した喀痰を容器に入れて提出してもらった細胞を、また子宮頸部細胞診は産婦人科医が子宮の入り口をブラシ等で軽くこすって採取した細胞を検査します。採取した細胞をガラスに塗抹し、一枚ずつ顕微鏡で観察しながら「異型細胞」や「がん細胞」を探します。

 喀痰細胞診は比較的高齢者が対象となるのに対し、子宮頸部細胞診は若い世代で子宮頸がんの発症が増加しているため20歳から対象となります。

―細胞診検査の有効性はどのような形であらわれていますか。

 特に子宮頸がん検診での有効性が認められています。がん細胞はもちろんですが「前がん病変」といわれる「異形成」を発見できるからです。2009年からの無料クーポン券配布で、子宮がん検診を初めて受診する人が増え、若い世代での早期がんの発見数が飛躍的に増加しました。

 2013年度に当事業団で実施した子宮頸がん検診で異常が見つかった人は137人でしたが、浸潤がんは1人、早期がんは14人、異形成が122人でした。異形成が見つかった人がすべてがんに至るわけではありませんが、経過を観察することで「がん」を発症しても早期治療が可能になります。自覚症状のない極めて早期がん(上皮内がん~IA1期)のうちに発見できれば、子宮を残すことができ、出産も可能です。

―やはりがん検診は重要ですね。

 受診を阻む要素として「恥ずかしい」「怖い」という心理のほかに、生理のタイミングがあります。各市町村では受診期間を延長して受診を促しています。手元にクーポン券は残っていませんか。まだ間に合いますので、必ず検診を受けてください。