がん予防を目的に実施しているのが、小中高生を対象としたがん教育です。
若い世代にがんについての正しい知識と、好ましい生活習慣を身に付けてもらうのが狙いです。

―がん予防や、がん検診の受診率向上、がん医療の充実のため県が行っている施策について説明してください。
がん予防を目的に実施しているのが、小中高生を対象としたがん教育です。2012年度に試験的に実施し、翌13年度から本格的に行っています。医師会や秋田大の医師と、がん経験者を学校に派遣し、おおむね2時限実施します。1時限目は講義、2時限目はグループワークを行います。
若い世代にがんについての正しい知識と、好ましい生活習慣を身に付けてもらうのが狙いです。さらに、家庭でがんについて話し合ってもらうことで、親の検診受診を促進する効果も期待しています。今年の11月までに60校で実施し、約6600人が受講しています。
がん検診の受診促進を目的として実施しているのは、40歳と50歳の全県民を対象とした胃がん検診受診の無料クーポン配布や、働く方々の受診機会を増やすため休日に集団検診を実施する団体への助成です。さらに、女性のがん検診について医療機関での受診を希望する声が多いことから、市町村や医療機関などと連携し、お住まいの市町村以外の医療機関でも検診を受診できる事業を実施しています。これらにより、受診者が増えるという実効を挙げています。
がん医療充実のため、10カ所の拠点病院等への放射線治療装置の配置補助、秋田県のがん診療連携の中核である秋田大学部附属病院への内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」の導入などを行っています。ソフト面では、がん専門看護師等の医療従事者育成支援、患者や家族への相談支援体制の整備、緩和ケア研修会の実施などを行っています。
―がん検診受診促進に向けたメッセージや今後の目標を。
がんの多くは、早期に発見できると完治が期待できます。そして、早期がんが発見される割合は、症状が出てから医療機関を受診するよりも「検診・健診・人間ドック」が高いのです。早期がんの多くは自覚症状がありません。ですから、自覚症状がなくても定期的に検診を受診することが大事です。
今度県は、がん罹患率が高い年齢層に的を絞った対策を推進します。さらに、検診により「要精密検査」の結果を受けたにもかかわらず精検を受診する割合が全国平均を下回っている現状を踏まえ、精検受診率90%に向けた取り組みを展開します。
- (1)秋田県の「がん」による死亡率は17年連続で全国ワーストとなっています2015年5月27日
- (2)わが国の医療は世界トップレベル 「がん」も死に至る病ではなくなった2015年6月10日
- (3)県民のがん検診受診率10~20%台 国の目標に遠く及ばないのが現状です。2015年6月24日
- (4)治せる病気になった今、検診でがんが見つかることは、大きなメリットなのです。2015年7月8日
- (5)胃がん発症の連鎖を断ち切るため、若い世代を対象に抗体検査に踏み切りました。2015年7月22日
- (6)若い世代のがん発生因子を除くと同時にがん検診受診を意識付けることが目的です。2015年8月12日
- (7)秋田県の胃がんによる死亡率が全国で最も高いことを考えれば、極めて有意義。2015年8月26日
- (8)行政が中心となり行うことで全中学校を網羅でき、画期的な事業だと評価できます。2015年9月9日
- (9)早期治療で治るにもかかわらず受診率が低い状態が続いているのは残念。2015年9月23日
- (10)定期的に受診することが早期発見、早期治療のためには不可欠なのです。2015年10月14日
- (11)検診を受診していない人に直接電話で受診を勧奨するコール・リコール事業2015年10月28日
- (12)若い世代の発症率が増加している子宮頸がん!!20歳になったら頸がん検診を受けましょう。2015年11月11日
- (13)秋田県は残念ながら1997年以来18年連続で全国ワーストとなっています。2015年11月25日
- (14)受診率を上げるために壁となるのが、60歳以上の受診率の低さです。2015年12月9日
- (15)がん予防を目的に実施しているのが、小中高生を対象としたがん教育です。2015年12月23日
- (16)それぞれの検査の特徴を理解して、がん検診コースを受診していただきたい2016年1月27日
- (17)「がん」の「早期発見」のために。1回の検査でほぼ全身をカバー。2016年2月10日
- (18)がん検診受診率を国、県の目標である50%に上げていくことが大きな課題です。2016年2月24日
- (19)生活習慣に起因するがんも多いので、予防には生活習慣の改善が不可欠です。2016年3月9日
- (20・完)あなたと、あなたの大切な人のために「がん検診」を受けましょう。2016年3月30日