それぞれの検査の特徴を理解して、がん検診コースを受診していただきたい
CTによる詳細な検査とPET検査の利点を生かして人間ドックを補い、一層の早期発見、早期治療を目的としています。

―県総合保健センターが2007年から県立脳血管研究センター(脳研)と連携して実施している「がん検診コース」の開設の目的、検診内容・料金などについて教えてください。
「がん検診コース」は、当センターで行っている人間ドック健診に、隣接する脳研で行っている胸部(肺)CT(コンピューター断層撮影)検査、PET(陽電子放射断層撮影)検査などを組み合わせたコースです。CTによる詳細な検査とPET検査の特徴である苦痛がほとんどなく一度に全身を調べることができる―という利点を生かして人間ドックを補い、一層の早期発見、早期治療を目的としています。
完全予約制で、一日ですべての検査を終えることも可能です。ドックも含めた基本料金は11万2510円で、オプション検査も追加でき、ドックの費用(4万200円)に補助が下りる場合もあります。2週間ほど後、医師が詳しく結果を説明し、必要な場合は他医への紹介や生活指導を行います。 ※税込
―どのような方が利用していますか。また、がんの早期発見につながったケースもあるのでしょうか。
当センターでは年間50~60人がコースを受診しており、年々増加しています。通常のドック受診者約5700人に比べまだ少ない現状です。60代の男性が最も多く、がん検診そのものに関心が高く定期的に受診する方もおります。CTやPETの検査のみの所見で肺がんや大腸がんが見つかっています。また、通常の検査にPETを加えることで良性、悪性の判断に役立ったり、日本人に多いがん(胃、大腸、乳、子宮など)のほかに、ドックでは分からないがんが見つかったりする場合もあります。ですが、PETやCTだけでは全てのがんが発見できるわけではありません。がん検診を補完する検査と考えるべきです。
―どのような方ががん検診コースを受診すべきでしょうか。
がんの好発年齢は臓器により異なっておりますが、通常のがん検診と同様に40歳以上の全ての人がその対象となります。喫煙や飲酒などの生活習慣に問題のある人や血縁者ががんを発症した人、がん治療経験のある人など、がんリスクの高い人に受診をお勧めします。
例えばピロリ菌と胃がんのように、一部のがんでその原因が分かってきました。それを調べることで自分がかかりやすいがんを知ることも大事。一方、発見、治療が困難ながんもあります。それぞれの検査の特徴を理解した上で、より多くの人にがん検診コースを受診していただきたいと思います。
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