がん検診受診率を国、県の目標である50%に上げていくことが大きな課題です。

(2016年2月24日 付)

協会けんぽは3月下旬以降、お勤め先に2016年度生活習慣病予防健診の申込書を送付します。ぜひ利用してください。

全国健康保険協会(協会けんぽ)秋田支部長
中田 博さん vol.1

―協会けんぽ秋田支部にはどのくらいの人が加入していますか。また、扶養家族を含めた加入者が、がん検診を受診するにはどのような方法がありますか。

 協会けんぽは、中小企業の従業員とその家族など、約3600万人の加入者、約170万の事業主からなる我が国最大の医療保険者です。秋田支部の加入者は昨年11月現在33万6千人(被保険者20万千人、被扶養者13万5千人)と県人口のほぼ3分の1に上ります。15~64歳の加入者が8割を占めています。加入事業所は1万4700社です。

 実施しているのは35~74歳のご本人が対象の「生活習慣病予防健診」と、40~74歳のご家族が対象の「特定健康診査(特定健診)」。生活習慣病予防健診には胃、大腸、肺のがん検診も含まれているほか、特定の年齢の女性について乳がんと子宮頸(けい)がんの追加受診が可能です。一方、ご家族のがん検診は健康増進法に基づき市町村が実施しますのでお住まいの市町村で受診してください。

 2014年度の生活習慣病予防健診でのがん検診受診率は胃がん、大腸がん、肺がんが30%台、乳がんと子宮頸がんは20%前後にとどまっています。国、県の目標である50%と大きく隔たっており、受診率を上げていくことが大きな課題です。協会けんぽは3月下旬以降、お勤め先に2016年度生活習慣病予防健診の申込書を送付します。ぜひ利用してください。

―検診受診の補助制度はありますか。

 がんの検診項目(胃、大腸、肺)を含む生活習慣病予防健診は一般的な健診内容の場合、1万8500円の費用が掛かりますが、協会けんぽから最大1万1484円の補助がありますので、本人負担7千円ほどと、割安で受診ができます。

 また、この健診に追加するがん検診についても補助があります。乳がん検診(40~74歳の偶数年齢女性)の自己負担額は50歳以上で最高1066円、40~48歳が最高1655円。子宮頸がん検診(36~74歳の偶数年齢女性)は最高875円に抑えられています。女性特有のがん検診についても、多くの人に受診してもらいたいと思います。

 一方、ご家族対象の特定健診についても最高6520円を補助しますので、基本的な費用7600円のうち、自己負担額は1080円となります。ただし、特定健診にがん検診は含まれないので、がん検診は市町村で受診してもらうことが必要です。