生活習慣に起因するがんも多いので、予防には生活習慣の改善が不可欠です。

(2016年3月9日 付)

自らの健康は家族のためでもあります。がん検診を受け、合わせて生活習慣も見直しましょう。

全国健康保険協会(協会けんぽ)秋田支部長
中田 博さん vol.2

―協会けんぽ秋田支部は、がん検診受診率向上に向けて、どのような取り組みをされていますか。

 従業員の皆さまの健康診断には、労働安全衛生法に定められた事業者健診(定期健康診断)や協会けんぽの補助がある生活習慣病予防健診などがあります。生活習慣病予防健診には、胃・肺・大腸や年齢によって乳がん・子宮頸(けい)がんのがん検診項目が含まれておりますので、そのメリットを広報紙や各種研修会などを通じて広く周知し受診を推奨しています。

 がんは生活習慣に起因しているものも多く、予防には生活習慣の改善が不可欠です。生活習慣病予防健診を受診していただくと、生活習慣の改善が必要と判断された方は、保健師・管理栄養士による「保健指導」を受けられます。自分自身では難しい生活習慣の改善もプロによる個々に適したアドバイスが受けられますので、こうした面からも生活習慣病予防健診の受診を推奨しています。

 生活習慣病予防健診は、県内39の健診実施機関や検診車で受診していただけますが、地域によっては予約が埋まり希望する時期に受診できないケースも残念ながら発生しております。協会けんぽとしてはできる限り受診していただけるよう実施機関の拡大に取り組んでまいります。

 また、協会けんぽが実施しているご家族向けの健康診断(特定健診)には、がん検診が含まれていないので、市町村が実施するがん検診の受診を呼びかけています。この検診の実施時期等については各市町村の広報誌や協会けんぽの広報紙でお知らせしております。

―がんの早期発見、早期治療の重要性についてメッセージを。

 がんは早期治療によって高い確率で完治すると言われており、早期発見が不可欠です。そのためにも毎年定期的に受診することが大切です。また、県の新年度当初予算案にはがん検診に対する助成拡充が盛り込まれております。協会けんぽもこうした情報を加入者に周知するなど、県全体の受診率向上に資する取り組みを行います。

 14年度に協会けんぽが実施した健診において要精密検査・要治療の対象となった県内被保険者の割合は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸(けい)がんの5項目すべてで東北6県の平均値を上回っています。がん発症リスクが見つかったわけですから早期発見のためにも再検査を受けることが必要です。自らの健康は家族のためでもあります。がん検診を受け、合わせて生活習慣も見直しましょう。