遠い風近い風[畑澤聖悟]鰤がどーん!

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 5月3日に東京で初日を迎える渡辺源四郎商店の新作「鰤(ぶり)がどーん!」の稽古中である。

 このタイトルを決めたのは昨年の9月。作品の構想を練ることとタイトルを決める作業は、密接に関係している。タイトルが決まれば作品もできたように感じてしまうが、やはり気のせいであった。まだ執筆は終わっておらず、難産の日々が続いている。

 1947年に上演されたブロードウェイ・ミュージカル「ブリガドーン」は、スコットランドに実在するドーン橋にまつわる伝説をベースに創作された。舞台より54年公開の映画の方が有名で、監督は巨匠ヴィンセント・ミネリ、主演と振り付けはジーン・ケリー。100年に1日だけ出現する架空の村に迷い込んだハンター(ジーン・ケリー)と、村の美しい娘(シド・チャリシー)との不思議な恋を描く。

 漫画家の水木しげるが「ゲゲゲの鬼太郎」などで繰り返し描いたブリガドーン現象も、この伝説が元ネタ。100年あるいは千年に一度、複雑な気象条件がそろって出現した不思議な霧の中で、妖怪が跋扈(ばっこ)するのである。私にとってブリガドーンはミュージカルより、こちらの方がなじみ深い。

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