遠い風近い風[佐々木桂]寝袋で上京

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 この間、親に“ヒロッコ”を送ってもらった。僕が子供の頃は、“ヒロッコ”と福寿草を採りに行くのが雪解け時期の遊びの一つだった。どちらもみずみずしい黄色で、それが春を感じさせてくれてうれしかったのかもしれない。そしてこの季節、新生活のスタートでもある。新入生や新入社員の皆さんは、そろそろ新しい生活に慣れただろうか。

 前回、「親父(おやじ)に寝袋を持たされ1人東京へと旅立つわけであるが、その話はまた今度…」などと思わせぶりに終わったので、今回はそんな僕の新生活スタート時の話を。

 今は大学や短大、専門学校の入学式に親が参加するのは当たり前となったが、僕が東京に出て来た頃は、親が入学式に出ることはほとんどなかった。当然ウチの親も来ないので、上京は1人だった。それはいいのである。みんなそうだから。ただ一つだけ違ったのは、ウチの父親は僕に寝袋一つ持たせて「行ってこい」と言ったことだ。しかも、僕はそれを当然のように受け入れた。東京で1人暮らしをするというのはそういうことだろうと。

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