さまようクマ:集落で(3)人を追い里に近づく?

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本格的な冬を前に、かつて暮らした住居の周りを見て回る金崎さん=11月、由利本荘市
本格的な冬を前に、かつて暮らした住居の周りを見て回る金崎さん=11月、由利本荘市

 由利本荘市矢島町の上野平(うえのたい)集落で、たびたびクマが目撃されるようになったのは、数年前からだ。

 その上野平から子吉川を挟んで南西に約5キロ。上野平の人々が、クマが元々いたエリアではないかと推測する鳥海山の北麓に、クマの名を冠した集落がある。「熊之子沢(くまのこざわ)」という。

 熊之子沢の歴史は古い。言い伝えでは、起源は鳥海山の修験者の子孫が住み着いた平安時代にさかのぼる。

 集落で生まれ育った佐藤永吉さん(68)=農業=は「鳥海山麓に暮らす人にとって、クマは特段珍しい存在ではなかった」と言う。祖父は山仕事や農作業の傍ら、狩猟も業としていた。主な獲物は川魚や野ウサギ。そしてクマも捕った。

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