遠い風近い風[井川直子]イチジクとミクロ・クチーナ

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 イチジクは基本、甘く煮て食べる。そう言うと県外の人は大抵驚く、ということに秋田の人は驚くだろうか。どうやら日本では、生で食べるのが主流のようだ。その多くが熟すと赤紫色になる桝井(ますい)ドーフィンという品種で、やわらかく、崩れやすいため加熱するとジャムになる。

 一方、秋田でイチジクと言えばグリーンで、お尻がほんのり赤く色づいたものだろう。こちらはホワイトゼノア種。熱を加えると糖度が高まり、煮ても形が残ってくれる。秋田に根付いたのは寒さに強いからだが、欧米でも似た種のイチジクがあって、料理に製菓にと使われる。

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