東海林太郎とロイド眼鏡(中)芸術、娯楽が大衆のものに

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 ロイド眼鏡といえば、秋田に縁の深い藤田嗣治(1886―1968年)もまた愛用者のひとりである。世界的に活躍した画家フジタの生涯と秋田蘭画や浮世絵との関わりを描いた秋田テレビ45周年記念特別番組「世界のフジタが描いた日本の誇り 秋田の行事」の台本を担当したことがあり、メガネライターの私は不思議な縁を感じてしまう。

 フジタの作品と生涯を描くに当たり、50冊ほどの資料を読みあさり、美術館に通い、その人柄に触れた。番組には、生前のフジタと親交のあった方々や唯一存命の親族に出ていただき、ナビゲーターに柳葉敏郎さんをお迎えした。

 資料から見えてきたのは、芸術に対してどこまでもストイックで真摯な、ひとりの日本人芸術家の姿だった。あまり知られていないが、パリに渡ったばかりの頃、若きフジタは模写のためにルーブル美術館へ通い、基礎を磨いている。

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