東海林太郎とロイド眼鏡(下)アイコンとして人々の記憶に

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東海林太郎(左)とアレン・ギンズバーグ。共に生涯にわたりロイド眼鏡を愛用し続けた
東海林太郎(左)とアレン・ギンズバーグ。共に生涯にわたりロイド眼鏡を愛用し続けた

 いわゆるロイド眼鏡をはじめとした黒縁メガネがトレンドとなったのは10年ほど前のことだった。それ以前、黒縁メガネは「アラレちゃんメガネ」などと呼ばれ、野暮ったく時代遅れのイメージがあった。しかし、メンズライフスタイル誌の編集部は世界の潮流や日本のマーケット動向、編集者が培ってきた経験と勘によって、次のトレンドに黒縁メガネがくると予測していた。

 黒縁メガネは、その色によって確固たる強さを持ちながら、フォルムが1ミリでも変わると表情を変えてしまうという繊細さも兼ね備えている。無骨なまでにシンプルでベーシックなデザインでありつつも、強い主張と存在感を放つアイテムだ。そして、黒縁メガネは大ヒットした。そのトレンドが長引き、なかなか収まらないことを関係者と心配し合ったこともあったくらいだ。その後、黒縁メガネはすっかり定番化し、今ではアラレちゃんメガネという形容すら、ほとんど聞かなくなった。

 この20年、幾度かのメガネブームが起こる中で、黒縁メガネのスタンダートとして語られるのは米国のビート・ジェネレーションの詩人アレン・ギンズバーグ(1926―97年)である。1950年代から60年代にかけて巻き起こったカウンターカルチャーの担い手だったギンズバーグとその仲間たちは、国家の欺瞞に幻滅し、体制に反抗した。彼らの活動は、後に起こる大衆化のうねりともいうべきヒッピームーブメントやロックミュージックにも大きな影響を与えている。

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