北斗星(6月20日付)

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 竿燈見物していた県内の中学生が、居合わせた観光客から祭りのことを教えてほしいと頼まれる。お薦めの食材も尋ねられ、ジュンサイや米を挙げながら、景色などPRしたい秋田の魅力がほかにも多くあることに気付く

▼中学生はこの体験を作文に書いた。自分の住んでいる地域についてよく知っておくことは大切であり、秋田ならではの良さを見つけたいとつづった。「私の育った秋田を誇りに思えるようになりたい」と締めくくった

▼作文は来年度から使われる教科書のうち、「新しい道徳」(東京書籍)の中学2年生用に載っている。秋田市の県生涯学習センターなど県内12カ所で開催中の教科書展示会(同センターでは30日まで。25日休館)で閲覧できる

▼教科外の「道徳の時間」で指導されていた中学校の道徳は来年度、正式な教科になる。いじめや偏見をいかになくすか、集団や社会とどう関わるかなどについて、考えを深めてもらう。愛郷心の醸成も狙いの一つだ

▼本県では1993年度から「ふるさと教育」を展開し、わがまちの魅力や課題に子どもたちが気付くよう学びの場を確保してきた。ふるさと教育の要素が道徳にも盛り込まれることで、中学生の郷土意識に変化が現れるか注目される

▼本県の中学生の作文を載せた教科書は、郷土の文化や自然で誇れるものはないか、郷土のためにできることはないかを考えてみよう―と水を向けている。それを促されているのは中学生だけではないと思う。