阿部雅龍:冒険より難しい? 南極飛行機会社との交渉

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人力車秋田1周中、記録的豪雨に見舞われる=2018年5月、鳥海高原
人力車秋田1周中、記録的豪雨に見舞われる=2018年5月、鳥海高原

阿部雅龍コラム 冒険と人力車の日々(18)

  冒険遠征の規模が大きくなってくるとネゴシエーション(交渉)能力が重要になる。定期航路のない南極へ飛行機で行くための交渉はその最たるものだ。僕のように裕福でない人間が南極を歩こうとすれば、飛行機を飛ばすための資金が最大の課題となる。

 5月26日。「リキシャAKITAトラバース」と銘打った人力車による秋田1周の旅を母校秋田大学で終えた。到着式典には約80人が集まり、現役学生たちが「よさこい」を踊り大盛況だった。秋田を周って感じたのは世界の絶景に決して劣らぬ秀景があること。そして人の温かみ。世界を周ってきたからこそ秋田の良さを理解できた。人間は自分の中に比較できる対象がなければ、物事の良さに気付くことができない。南極という最も外にある場所に行く前に、地元という最も内にある場所を身体で知ることが重要だった。内と外の両方を満たすことでようやく人間は不足なくなっていく。