社説:夏の高校野球100回 次の節目へ歴史紡ごう

お気に入りに登録

 全国高校野球選手権は今年100回目を迎え、夏の甲子園出場を懸けた秋田大会はあす開幕する。特別な節目に戦える巡り合わせに県内の指導者や選手の多くは感謝している。その喜びをプレーで表現することを願うとともに、少子化が進む中、次の100回に向けて歴史を紡ぐためにはどうすべきかを考える契機にしたい。

 全国選手権は1915年に第1回大会(当時は全国中等学校優勝野球大会)が開かれ、この年は秋田中(現秋田高)が準優勝した。戦時色が濃くなった41年は地方大会のみにとどまり、42~45年は太平洋戦争に伴い中止した。終戦翌年の46年に再開され、以後は途切れることなく続いてきた。再興と継続に力を尽くした県内外の先人に敬意を表したい。

 夏の県勢は全国の舞台で113試合を戦い、通算成績は41勝72敗。98年以降は13年続けて初戦で敗れた。これを受けて県教育委員会は2011年に高校野球プロジェクト委員会を発足させ、実績ある県外指導者を招いてアドバイスを受けるなど強化に向けた取り組みを実施。事業開始後の11~17年の県勢は、15年に8強入りを果たすなど通算5勝7敗となっている。

 強化プロジェクトは、甲子園での県勢の活躍が地域の元気につながるとの考えで始められた。ただ、県議会の議論では、多くの競技がある中で高校野球だけ別枠で強化することへの疑問や、勝利至上主義につながりかねないとの指摘もあった。こうした声は一定数あるとみられるだけに、広く理解を得る努力が今後も求められるだろう。

 日本高野連の調査によると、県内の高校野球人口(硬式)は09年の2188人をピークに減少基調となり、今年は1782人。今年の秋田大会には部員不足のため単独で出場できない6校が二つの「3校連合」を組んで参加する。連合チームはさらに増えるとみられ、部員が少ない高校で野球をやりたい生徒の思いをかなえる取り組みが一層重要となる。

 高校野球には3年間在籍した部員の割合を表す「継続率」という指標がある。本県では30年前に75・2%だったが、今年は94・4%で、退部者が減っていることが分かる。ベンチメンバーに選ばれずに最後の夏を終える部員は少なくないが、いずれもサポート役としてチームに貢献している。これからも部員それぞれにやりがいを与える指導を望みたい。

 都道府県代表を決める今年の地方大会には、県内44チームを含む全国3781チームが参加する。全国制覇を狙う高校があれば、1勝を目標とする高校もある。学校関係者、保護者ら支えてくれる人々とファンは、一投一打に悔いが残らないようプレーすることを望んでいるはずだ。県内の球児にとって、この夏が忘れられないものとなることを願う。

外部リンク