遠い風近い風[宮田陽]芸人とお盆

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 桂歌丸師匠が亡くなられた。われわれも所属している落語芸術協会で長く会長を務められた歌丸師匠。晩年は、病で呼吸も大変そうだった。それなのに、高座に上がるとあふれ出るオーラでお客さんを噺(はなし)に引き込んで離さない。そんな姿を舞台袖から何度も拝見し、圧倒された。

 楽屋では、私のような若輩者にも常に丁寧語で優しく接してくださるのが印象的だった。

 私も歌丸師匠をまねて、後輩にも優しく丁寧語で接してみた時期がある。だが、私がやるとただ卑屈なだけの先輩に映ったようで、逆にタメ口をたたいてくる後輩まで現れた。同じことをしても、誰がやるかで相手の感じ方は違ってくると身をもって感じた。

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