碑は語る(1)歩兵第17連隊・秋田市 郷土部隊、薄れる記憶

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歩兵第17連隊の名を刻んだ石碑が、夏の青空を映していた=秋田市の千秋公園
歩兵第17連隊の名を刻んだ石碑が、夏の青空を映していた=秋田市の千秋公園

 あの戦争から73年。時の流れが戦禍の記憶を薄めていく中で、その断片をさまざまに刻んだ石碑が県内各地に残る。碑が映し出す戦争の断面に、目を向けてみたい。

 ◇  ◇

 「また夕陽(ゆうひ)参りやってらど」

 誰とはなしに発せられたつぶやき。浜辺に目をやると、戦友がうずくまって水平線に沈む夕陽に手を合わせていた。

 戦争末期、南太平洋の孤島で目にした光景を山田實(みのる)さん(97)は大きなため息とともに回想する。「沈む夕陽に自分を重ねてたのかな」

 秋田市出身の山田さんは戦時中、旧陸軍の「歩兵第17連隊」に所属。満州で情報収集の任務に就いた後、1944年に部隊を移り、南方へ転戦した。

(全文 1619 文字 / 残り 1329 文字)

【文献】

・「歩兵第十七聯隊比島戦史」(比島会、1981年)=凄惨(せいさん)な戦場の様子や隊員の姿を700ページ余りにわたって詳述。
・「歩兵第十七聯隊比島戦史追録」(比島会、1986年)=生存者による生々しい戦場の体験を記す。
・「南部呂宋戦記」(佐藤康平、1979年)=大仙市出身の元隊員による戦場の記録。

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