社説:国民民主党代表選 党勢の立て直しが急務

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 国民民主党の代表選が行われ、玉木雄一郎共同代表が津村啓介元内閣府政務官との一騎打ちを制し、新代表に選出された。玉木氏に問われるのは、低迷する党勢をどう立て直していくのかである。そのためには何を目指す政党なのか、存在意義を明確に示すことが第一歩であろう。その上で野党共闘を構築していくことが求められる。

 旧民進党が昨年10月の衆院選で立憲民主党や旧希望の党などに分裂。国民民主党は今年5月に民進と希望が合流して結成された。衆参両院議員61人を抱えながら、8月下旬の共同通信社の世論調査では政党支持率が1・5%と低迷しているのが現状である。国民民主の国政の中での立ち位置があいまいで、目指すべき将来像も見えないことが要因の一つである。

 代表選は当初、9月下旬を想定していたが、20日の自民党総裁選に埋没しかねないとして前倒しした経緯がある。しかし残念ながら国民の関心は薄く、盛り上がりに欠けた。新たな代表誕生にもかかわらず高揚感に乏しいのが実情である。

 玉木氏は「代表選が終わればノーサイド」と結束を呼び掛けるが、危機的状況にある中で挙党態勢を築き、党勢を拡大することは容易ではない。対応を一歩間違えば党内に亀裂ができたり、分裂にまで発展する可能性がある。

 来年夏の参院選まで1年を切っている。巨大与党に対抗するためには野党勢力の結集が不可欠である。

 玉木氏は先の通常国会対応で「対決より解決」と提案路線を掲げたことで、安倍政権との対決姿勢を強めた他の野党との足並みが乱れてしまった。野党第1党の立憲民主党との主導権争いが招いた結果とも言える。

 提案路線以外にも共闘への課題はある。一つは安全保障関連法へのスタンスである。国民民主は「違憲と指摘される部分の白紙撤回を含め、必要な見直しを行う」が基本政策だ。同法の廃止を求める立民との違いは明らかである。もう一つのポイントは共産党との関係である。玉木氏は「共産党とは基本的な考え方が違う」として明確に排除対象としているのに対し、立民は排除はしていない。

 これらの問題を野党間であいまいにしたままで共闘は許されない。国民民主は党内で徹底的に議論し、基本政策をあらためて確認した上で、共闘への方向性を示す必要がある。

 安倍政権の強引な国会運営や誠実さに欠ける政治対応を許しているのは、「多弱」と呼ばれる野党の非力さ、結束力のなさが要因でもある。

 野党共闘が実現せずに候補者が乱立するような事態になれば、与党が漁夫の利を得るだけである。玉木氏は立民との主導権争いをやめ、野党共闘へ向け、早期に具体的な話し合いに入れるように、現実的な道を探ることが求められる。