社説:北海道地震1週間 全域停電の検証急務だ

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 最大震度7を記録した北海道地震は6日未明の発生から1週間が経過した。土砂崩れなどにより41人が命を奪われ、現在も千人以上が不自由な避難所暮らしを余儀なくされている。停電や断水などインフラの被害は広域に及んでおり、市民生活への影響は甚大である。

 停電が北海道内の全域に当たる約295万戸に及んだことは衝撃的だった。電力会社の管内全てが一斉に停電に見舞われる「ブラックアウト」と呼ばれる現象だ。道内のおよそ半分の電力供給を賄っていた苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が地震で稼働停止した影響で、他の火力発電所も連鎖的に停止した。

 発電所の復旧が進むにつれ、停電はほぼ全域で解消された。だが肝心の苫東厚真が地震で予想以上に多くの損傷を受けたことが判明。北海道電力は当初全面復旧には1週間以上かかるとしていたものの、さらに遅れ、11月以降にずれ込む見通しとなった。北海道は本州より格段に冷え込みが厳しい。暖房を使えないまま冬を迎えることは絶対に避けたい。復旧を急がなければならない。

 点検中の水力発電所の再稼働時期を早めたことなどから供給力は上がったが、電力需給は依然、綱渡りの状態が続いている。このため政府や北海道電力は20%の節電を呼び掛けるとともに、計画停電を準備している。企業や家庭で小まめな節電を心掛けたい。

 そもそも、なぜブラックアウトが発生したのか。電力需給バランスが崩れたというが、こんなに簡単に最悪の事態に至るものなのか。発生後の状況を詳細に分析し、検証することが求められる。

 北海道と本州で電力を融通する送電設備で地震発生後に電力の出力が上がったものの、間もなく送電できなくなった。電力を緊急的に融通して大規模停電を回避するシステムが一時機能しながら、なぜ止まってしまったのか。この点も含め、原因の解明は急務だ。

 他の電力会社もブラックアウトを決して人ごとと捉えてはならない。近年は東日本大震災をはじめ、想像を絶する災害が現実に起きている。管内の電力供給体制、緊急時の対応に問題がないか再点検し、備える必要がある。

 今回の地震では、液状化現象に伴い道路が陥没したり、隆起したりする被害も見られた。復旧するには相当の時間がかかるだろう。大規模な土砂崩れが多発して多くの犠牲者が出た厚真町では浄水場が被災し、今もなお断水が続いている。解消まで1カ月かかるというから深刻だ。

 避難所生活の長期化に伴い、被災者の健康面が懸念される。これから冷え込みが増すだけになおさらだ。余震が収まらず、不安も大きいだろう。政府は被災自治体をサポートし、復旧・復興に全力を挙げてほしい。

秋田魁新報電子版電子号外

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