社説:犬猫殺処分ゼロへ ボランティア育成が鍵

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 県は保健所に引き取られる犬や猫を殺処分せず、新たな飼い主へ譲渡することに重点を置く「第2次県動物愛護管理推進計画」(2016~25年度)を進めている。県内で殺処分される犬や猫は毎年減り続け、17年度は過去最少の計343匹(犬42匹、猫301匹)となった。20~26日は動物愛護週間。県民一人一人が犬や猫との付き合い方を、あらためて考える機会にしたい。

 県内で保健所に引き取られた犬や猫は、飼い主が現れなければ県動物管理センター(秋田市浜田)で殺処分される。統計が残る1990年度以降、最多は91年度の計4981匹(犬3948匹、猫1033匹)だった。殺処分が減少しているのは、動物愛護の考えが徐々に浸透しているほか、新たな飼い主に譲渡する取り組みなどが行われているためだ。県は2025年度までの「殺処分ゼロ」を目指しており、目標達成に向け一層の取り組みが求められる。

 犬は室内犬を飼う人が増えていることもあり、殺処分は大幅に減少。一方、猫は放し飼いによる繁殖や野良猫の出産が多いことなどから殺処分に至るケースが絶えず、近年は猫への対策が大きな課題となっている。

 猫対策で効果を上げているのは、飼育経験豊富なボランティアが子猫にミルクを与えるなど一定期間育てた後、希望者への譲渡につなげる「ミルクボランティア」という取り組みだ。引き取られる猫の大半は生後間もない子猫で、同センターで授乳などの世話に十分手が回らないことから、やむなく処分されるケースが多かった。

 ミルクボランティアは16年度に始まり、県と秋田市は民間の動物愛護団体「いぬ・ねこネットワーク秋田」の協力を得て行われている。効果はすぐに表れ、15年度16匹だった譲渡数が16年度は99匹、17年度は106匹と増加した。

 飼い主のいない猫に不妊去勢手術をして繁殖を防ぎ、住民有志が餌やトイレの世話をする「地域猫」と呼ばれる活動も15年度から行われている。地域で猫と共生する方策を探り、殺処分を減らす狙いだ。秋田、にかほ、大仙の3市の計6地区をモデルに進められており、注目される。

 来年4月には、秋田市雄和に「県動物愛護センター」(仮称)が新たに開設される。引き取られた犬や猫を希望者へ譲渡するほか、動物の正しい飼い方などの情報を発信する活動などを担う。県はここを中心に活動するボランティアを、100人を目標に育成するとしている。

 一連の取り組みには、ボランティアの協力や地域の理解が不可欠だ。同センターが拠点となって活動を進め、犬や猫が殺処分されなくても済む社会が構築されることを願う。学校教育を通じ、子どもたちに命の大切さを教える講座などを一層展開することも必要だろう。