社説:ハタハタ漁獲枠 資源維持へ検証不可欠

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 県や県漁業協同組合などでつくるハタハタ資源対策協議会は今季(9月~来年6月)の漁獲枠を昨季より80トン多い800トンに決めた。漁獲枠の設定方法を見直し、将来の漁獲量を想定した上で判断する方法に変更した。だが、これにより資源量が今後、どう推移するのか判然としない。漁業者に納得して協力してもらうためにも、分かりやすく説明する必要がある。

 県水産振興センターによると、これまで推定資源量の4割を漁獲枠としてきた。しかし、資源量を正確に把握するのは難しく、資源量の推定値を実際より高く見積もってしまうことがあった。2016年、17年は漁獲率(資源量に対する漁獲量の割合)が5割を超していた。資源量が少ない年は、生き残るハタハタ数が必然的に少なくなることも課題だった。このため資源変動に的確に対応する管理システムが求められていた。

 新設定方法の導入は、長期的な視点で資源保護に取り組もうという試み。操業隻数や操業日数の実績(ここ3年の平均値)を100とし、その8割、5割などに操業制限した場合の将来の漁獲量を推定。これによると10年後には現操業量の8割でも推定漁獲量が100トン以下に減少する。今季の漁獲枠は、10年後も約800トンの漁獲量が見込まれる「現状の3割」の操業を設定した。毎年シミュレーションをやり直す計画で、資源維持に必要な漁獲率を適宜採用することが期待される。

 ただ、資源量を正確に把握できない状況は変わりなく、操業ベースの算定方法がどれだけ実効性があるかは未知数。操業終了後に検証し、問題点を改善していくことが重要だ。

 今季は「2歳魚の資源量が近年ではやや高い」としており、「現状の操業」だと1600トンの漁獲量を見込む。そのため、現状の3割の操業でも昨季を上回る漁獲枠になった。だが、3割設定では20年の推定漁獲量が500トンに減る。今後、より厳しい漁獲制限を漁業者に強いる可能性もある。

 「捕りながら増やす」資源管理を目指し、県は本年度、県漁協への委託事業「改良小型定置網による資源管理対策事業」を実施する。小型魚を捕らないよう脇本、船川、北浦、平沢の漁師が目を大きくした網を試験的に使用する。定置網に産み付けられた卵をふ化させる事業などと合わせ、資源の維持・拡大策を一層強化してもらいたい。

 安定した資源管理に向けては広域連携も鍵を握る。ハタハタは広域回遊魚。本県を含めて青森県から富山県までの5県が同じ回遊群とされる。本県のみ漁獲量を制限するだけでは限界があり、一元的管理が求められる。秋田、青森、山形、新潟の各県漁協による資源管理協定の締結期間は本年度末まで。協定を更新することになるが、この機に広域的な取り組みを加速させたい。