北斗星(10月7日付)

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 誰もが人生の岐路に立つときがある。学校を卒業してから自分はどういう道に進むべきか。簡単には決められない。プロスポーツに身を投じようとする場合はなおさらだ。活躍すれば評価は跳ね上がるが、将来の保証は全くない

▼第100回全国高校野球選手権記念大会で、県勢として103年ぶりの準優勝を果たした金足農の吉田輝星(こうせい)投手がプロ野球を目指すことになった。10日に同校で記者会見を開き、表明する予定だ

▼当初は北東北大学リーグの八戸学院大(青森)への進学を考えていた吉田投手。甲子園で私立の強豪を次々なぎ倒して「金農旋風」の立役者となり、18歳以下のアジア選手権の高校日本代表にも選ばれた。この夏の経験で、夢の舞台で力を試したいとの気持ちが一気に高まったのだろう

▼投手としての魅力は申し分ない。鹿児島実との甲子園1回戦では、伸びのある速球を決め球に「剛腕吉田」を強く印象付けた。だが次第に緩急をつけた投球に切り替えた。勝負どころで相手の裏をかき、変化球も決め球に使った。大舞台で新たな球種を試すなど実に器用で、度胸も据わっている

▼さらに言えば、右投手でありながら走者へのけん制は極めてレベルが高く、フィールディングも相当なものだ。横浜との3回戦で本塁打を放つなど打者としてのセンスもある

▼ドラフト会議は25日。吉田投手のスター性は今年の選手の中では群を抜いている。甲子園の主役がドラフト会議の主役になるかもしれない。