社説:チャイルドライン 急がれる受け手の確保

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 18歳以下の子どもの悩みを電話で聞く「チャイルドライン」が国内で始まって今年で20年を迎えた。活動の中核はNPO法人「チャイルドライン支援センター」(東京)。同センターと連携し本県を含む40都道府県の70団体が活動。身近な親や友人に悩みを打ち明けられない子どもたちに寄り添ってきた。年間約20万件に上る相談活動を一層充実させてもらいたい。

 チャイルドラインは全国共通のフリーダイヤル(0120・99・7777)で毎日午後4~9時に受け付けている。例年子どもの自殺が急増する夏休み明けに合わせて8月下旬から全国キャンペーンを行っており、今年は2週間で8790件の電話があった。受け皿として認知されている証しといえる。

 子どものための電話相談は1970年代に北欧で始まり、国内ではいじめ問題が深刻化していた98年に英国を参考に東京でスタート。翌99年にチャイルドライン支援センターが設立された。県内では2007年にスタート。12年にNPO法人あきた子どもネット内の「チャイルドラインあきた」が引き継いだ。

 チャイルドラインの年間着信数は開設当初から大幅に増えた。01年度は2万2千件余りだったが、09年度以降は年20万件台で推移してきた。

 ただ近年は、無料通信アプリLINE(ライン)などに悩みを打ち明ける傾向が強まっているという。ラインの手軽さや「人と直接話をするのは苦手、面倒」という子どもの増加が背景にあるとみられる。17年度の電話件数が19万8千件と20万件を切ったのはその表れだろう。誰でも気軽に相談できるよう19年度からはオンラインチャット相談でも対応する。

 最大の課題は電話を受けるボランティアの慢性的な不足だ。チャイルドラインは子どもが電話をかけた場所の最寄りの団体につながる仕組みだが、着信率(実際につながった割合)は17年度42・6%にとどまった。受け手のボランティアを十分に確保できていないことも一因とみられている。

 受け手のボランティアの数は現在、全国に1750人。多くの団体が人手不足に悩んでいる。同支援センターは「女性の社会進出に伴い、主力の専業主婦の減少が顕著。協力してくれるボランティアを増やしたい」と話す。

 本県では元教員や元保育士、看護師、主婦ら20人が登録するだけだ。そのため活動は毎週火曜日と土曜日に限定せざるを得ない。チャイルドラインあきたは人材確保に向けた養成講座を毎年行っているが、新たな人が加わっても、自身の病気や家族の介護、転居などでやめる人もいるという。

 開設20年の節目に、多くの人がチャイルドラインの重要性を再認識し、浮き彫りとなっている課題の解決に力を合わせる必要がある。