北斗星(10月11日付)

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 高校生の頃、あるプロ野球選手がめきめき頭角を現す様に心を躍らせた。派手さはないが、打力は圧倒的。秋田にこんなすごい選手がいたのかと驚かされた

▼当時ロッテに在籍していた旧若美町(男鹿市)出身の落合博満さん。社会人から1979年にドラフト3位で入団したが、すぐに結果を残せたわけではない。本塁打はプロ1年目、2本にとどまった。翌年15本に伸ばし3年目に33本。首位打者のタイトルも獲得し、球界を代表する選手に名乗りを上げた

▼テレビで試合が放映されるのはもっぱら巨人戦だった。活躍ぶりは翌朝届く本紙で確かめた。「出た!2連発」「開花したスラッガー」など、当時の紙面には郷土が生んだ強打者をたたえる見出しが躍る。いま見てもわくわくする

▼金足農高のエース吉田輝星(こうせい)選手がきのうプロ志望届を提出し、会見を開いた。プロは幼い頃からの夢だが、自分の力が通用するかよく考えた上で決断したという。引き締まった表情から強い覚悟が伝わってきた

▼会見場には多くの報道陣が詰め掛けた。プロ入りの意思表示をする段階にしては注目度の高さが破格。あの夏の雄姿が全国の野球ファンに与えたインパクトが大きかったことの表れだ

▼三冠王に3度輝いた落合さんも「一級品」と太鼓判を押す今年一番の注目株。ドラフトでどんな結果が出るのか。多くの県民、特に年配のファンはわが子や孫のことでもあるかのように、どきどきしながらその日を迎えることだろう。