社説:外国人宿泊客誘致 観光資源に磨きかけよ

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 観光庁がまとめた今年上半期(1~6月)の宿泊旅行統計調査(速報値)で、県内に宿泊した外国人の延べ人数は過去最多の4万9720人に上った。前年比で6・4%増。年間で初めて10万人を超えた昨年を上回るペースだが、東北6県では最下位にとどまる。国内の訪日客が増えている今をチャンスと捉え、官民を挙げて観光振興に積極的に取り組んでもらいたい。

 宿泊客(従業員10人以上の施設)を国・地域別でみると、台湾が1万7490人で最も多く、韓国(4630人)、中国(4110人)、香港(2820人)などが続く。前年に比べて台湾や中国が増えたのに対し、韓国や香港は減った。

 本県は交流人口の拡大を目指して外国人観光客の誘致に力を入れる。特に親日的な台湾に対してはPRを強化。秋田空港の台湾チャーター便は年々増加し、昨年度は過去最多の120便が運航された。昨年の台湾の宿泊客は同様に4万2380人に上り、全体(10万4660人)の半数近くを占めた。

 県観光振興課によると、台湾人は四季折々の日本の自然への関心が高く、特に秋の紅葉や雪景色を好むという。冬季の本県は国内観光客が落ち込むが、雪を観光資源として前面に打ち出せば、台湾からさらに多くの観光客を呼べるのではないか。樹氷や秋田内陸線を活用したツアーを売り込むなど多様な旅行商品を用意し、需要掘り起こしに努める必要がある。

 一方、韓国の宿泊客はほぼ半減。スキーシーズンの1、2月のチャーター便数が18便から6便へと大幅に減少した。スキー客の多くは岩手県の安比高原スキー場に流れている。民間の大手宿泊施設がソウル便のある青森空港や仙台空港へ送迎に出向くなど、積極的な姿勢が功を奏しているという。

 こうした動きに対抗しようと県は来年1、2月に仙北市のたざわ湖スキー場や乳頭温泉郷と連携して、仙台空港から直通バスで韓国のスキー客を送迎するツアーを20回程度実施する計画だ。スキー以外の雪遊びや武家屋敷観光なども用意してニーズを探るとしており、成果を期待したい。

 東北の外国人宿泊客は2011年の東日本大震災を受け激減したが、12年から徐々に回復して15年以降急増。17年は106万人を超え、震災前に比べてほぼ倍増した。特に青森県は青森空港に就航した中国・天津便や台湾チャーター便の増便効果で17年は26万人を突破した。本県はソウル便が15年から休止している影響もあり、水をあけられた形だ。

 外国人宿泊客がもたらす経済効果は小さくない。本県には秋田犬や地域の祭り、発酵食文化など魅力ある素材が数多くある。豊富な観光資源に磨きをかけるとともにサービス向上に力を入れ、一層の誘客を図ってほしい。

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