神田松之丞、硬軟自在の映画論 「鈴木家の嘘」を語る

お気に入りに登録
※写真クリックで拡大表示します
トークイベントに登場した神田松之丞=東京都内

 映画「鈴木家の嘘」(16日公開)のトークイベントが東京都内で開かれ、チケットが取れない講談師として人気の神田松之丞がゲスト出演し、硬軟自在の映画論を展開した。

 長男の突然の自死によって巻き起こる家族の混乱と再生を、ユーモアを交えて描いた物語。野尻克己監督が実体験を基に脚本を手掛けた。

 「映画を見る才能が無い」と謙遜していた松之丞だが、「落語や講談でも最初、あえてつまらなそうに出てくるやつがいるんです。客を油断させておいて、面白いことを言って一気に引き込む。この映画も出だしで好きになりましたね」と冒頭シーンを分析した。

 松之丞は父親を自死で亡くしている。「自殺した家族がいるとね、頭の容量の何%かを常に持っていかれるんですよ。監督は作品を出すことで、自分のもやもやを解決したのかな。僕もそのために、芸人になったので気持ちが分かるんです」

 さらに「つらいテーマだけれど、コメディー要素で映画として楽しませている。初監督作ながら、培ってきた技術で昇華しようという気迫を感じましたね」とたたえた。

 実体験に基づく映画論で、客席を引き込んだ松之丞。芸人の血が騒いだのか、突然「高校時代に深刻なED(勃起不全)になったんですよ」と語り出した。「当時の映画『恋愛適齢期』でジャック・ニコルソンがバイアグラみたいなの飲んでいたでしょ。あの若さで、ジャック・ニコルソンに感情移入していたのは僕くらいですよ」と露悪的に笑った。