北斗星(12月6日付)

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 「交通課長、力あるっす」。20年ほど前、他社の記者からこう言われて理由を尋ねた。記者を含む5人で忘年会の2次会会場へタクシーで移動しようとした時だ。2台に分乗しなければならなかったが全員が1台に乗り込んだ。一緒にいた課長が「俺が許す」と言ったからだ

▼記者の能天気ぶりにあきれつつ、すぐに警察署を訪れ副署長に詰め寄った。数日後。そのような事実は確認できなかったとにべもなかった。まずはタクシーの運転手を調べ、言質を取るべきだった。後悔しても後の祭りだ

▼当時を思い出したのは、五城目署の警察官数人が先月下旬に飲食店でけんかし1人があばら骨を折る重傷を負ったことを伝える本紙記事を読んで。なぜ事実を明らかにしないのか。隣の面には酒気帯び運転で摘発された秋田銀行の元支店長が懲戒解雇された記事があった。当事者たちに共通するのは逮捕されていない点だ

▼逃亡や証拠隠滅の恐れがないという理由だろう。ただし、元支店長は無免許で自宅近くのコンビニまで自分の軽乗用車を運転、さらに停止を求められたが約800メートル逃げた。昨年も酒気帯び運転で摘発されている

▼10月には大館市立総合病院の医師らが酒気帯び運転で摘発された。酒気帯びで逮捕された人との違いは何か。恣意(しい)的判断があったと疑われることだけはあってはならない

▼警察官のトラブルについて県警が事実と認めた。「信頼回復に努める」としたが、それは今後の対応にかかっている。