北前船ゆかりの最後の蔵、解体へ 秋田市、劣化激しく【動画】

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年内に取り壊される土蔵の内部
年内に取り壊される土蔵の内部

 江戸期から明治期にかけて日本海交易を担った「北前船」の寄港地として栄えた秋田市土崎地区で、当時から唯一現存するとみられる土蔵が、年内に取り壊される。建てられた時期は不明だが、少なくとも百数十年とみられ、老朽化が著しいという。昨年4月の日本遺産認定により北前船への注目が集まる中、その歴史を伝える建造物が姿を消そうとしている。

 同市土崎港南の土蔵は国道7号のすぐ脇にある。幅約9メートル、奥行き約31メートルで、天井の高さは最も高い所で約5・7メートル。劣化を防ぐため外壁は木やトタンで覆われているが、中に入ればしっくいの剥がれた土壁や太いはりなどが見られ、歴史を感じさせる。壁に残る「岩見國那賀郡」(現在の島根県)、「明治十年」などの文字は、北前船の船員による落書きとみられる。

 土崎地区の歴史に詳しい県文化財保護協会副会長の池田憲和さん(72)=同市寺内=は「昔の雄物川は現在の国道7号(片側2車線)とほぼ重なり、(土蔵近くの)穀保町や御蔵町は船着き場として栄えていた。この蔵も川岸に立ち並ぶうちの一つだったのだろう」とみる。

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